#16 Lettering With You
タカシへ
久しぶり。タカシが岩手を離れてしばらく経ちますが、そっちの生活は順調ですか。
今年はコロナで帰省できそうにないと言っていたので、代わりにと手紙をしたためています。
隣の井中さんからいただいたお野菜を手紙と一緒に送りました。最近はスーパーのお野菜が高くなっているみたいだけど、偏った食生活にならないように気を付けてね。
そうそう、このあいだおすすめしてくれた「梨泰院クラス」というドラマを観るために、ネットフリックスというものに登録してみました。最近の動画サイトは作品数が多くてすごいのね。母さん、少しびっくりしちゃいました。
さっそく「梨泰院クラス」を観てみました。
韓流ドラマは「宮廷女官チャングムの誓い」しか観たことなかったから、現代韓国の風習とかスッと入ってくるか不安だったけど杞憂だったみたい。
それにしても一話からかなりインパクトある展開でしたね。主人公セロイの家訓に従おうという意志の強さ、それを見たお父さんのうれしそうな顔といったら…。タカシの卒業式で誇らしそうな顔をしていたパパのことを思い出しました。
あと、その日の夜にお父さんが言った「酒が甘いのは、今日が衝撃的だったからだな。」というセリフがとても良かったわね。あくまでポジティブに「生きてさえいれば…」と息子を応援する姿が涙を誘うわ。死亡フラグビンビン過ぎたけれど。
そうそう、お父さんを轢き殺したグンウォンくん、いいわねあの子。あそこまで傲岸不遜な親の七光りを見るのは久しぶりでした。どこまでクズに堕ちるのか楽しみで仕方ありませんね。
あ、でもあなたは彼を反面教師にしてね。
二話はセロイの夢が固まるお話でしたね。ここも導入みたい。
「謝罪(土下座)しろ」はセロイにとって完全に地雷ワードになったわね。今後も理不尽に謝らされる展開はありそうね。
グンウォンくんはまだクズになりきれてないわね、じゃんじゃん通過儀礼させて脂ののったクズに仕上がって行ってほしいです。
あとスアちゃん!彼女はいい子ね!あなたもいい年なんだから、ああいう夢を応援してくれて互いにいい刺激を与えられる子とお付き合いしなさいね。
三話からはもう一人女の子が出できましたね。
インターネットも使いこなしていて最近っぽい子だけれど、タカシにはあまりに合わないタイプね。私はスアちゃんの方が気立てがよさそうで好きです。
それよりも三話ではグンウォンくんの見どころが多かったですね。自尊心ばかり大きくなってまあ…プレゼンに失敗して社長に叩かれ、挙句好きな子に仕事を奪われるなんて、グンウォンくんが立派になって誇らしいわ。今後の展開に期待ね。
と思っていたらまさかのセロイくんと鉢合わせ!母さん心臓止まるかと思いました。”中卒で前科者の孤児”相手に必死に威張り散らすグンウォンくんの勇姿には思わず口角が上がってしまったわ。
セロイくんの警官に対する激昂も、家訓に、そして父親に恥じない生き方を貫いていてカッコ良かったわね。パパの若いころを思い出すわ。
グンスくんに言った「責任を取れないから未成年なんだよ、坊や」のセリフ、かつて父親を退職に追い込んでしまった自分を思い出しているのかしら。
それにお店の名前も”タンバム(甘い夜)"…。構成や台詞回しがニクいわね。
ひとまず三話まで観終わったけれど、やっと舞台が整った感じがしました。
あの若い子もグンウォンくんの失言を聞いて、セロイくんの味方になっていくのかしら?
個人的にはスアちゃんとくっついてほしいなと思います。
あとはグンウォンくんね。彼の最期を見届けるまでは観続けようと思います。
年末にコロナが収まっていたら、こっちに顔見せに来なさいね。
P.S. 最近お料理しててもよく味が分からないので、何もないと思うけどちょっと病院に行ってきます。
母より